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プロローグ「はじまりの部屋」

1. 映画『男はつらいよ』の世界の中へと誘う夢の始まり

館内に入ると、暗闇の中で35mmフィルム映写機が光り出し、正面に並ぶ寅さんの衣装とトランクから夢のような柴又の町の景色が三方の壁面に広がります。
寅さんやマドンナを温かく迎えてくれるくるまやの人々、帝釈天参道を走り抜ける自転車と柴又駅を出る京成電鉄、日本全国を旅した寅さんのように自由に大空を駆ける蒸気機関車……。そして広々とした江戸川の河川敷に、柴又へ帰ってきた寅さんの姿が見えます。シリーズ第1作冒頭の音楽とともに、ここからすべての『男はつらいよ』の物語が始まるのです。
原画は山田洋次監督の友人である洋画家の藪野健氏による「寅さんに寄せて」。澄み渡った青い空と、情感豊かで幻想的な記憶の世界を描くことで高く評価されている藪野氏による20点にも及ぶ水彩画、油彩画が来館者を映画の世界へと温かく迎え入れてくれます。