笑いも涙もここから。寅さんの実家を精巧な1/16スケールで再現
1階には、「4,撮影スタジオ くるまや」で紹介された部分のほか、映画にはほとんど出てこない便所や風呂なども見えます。台所から2階に繋がる階段を上がると寅さんの部屋があります。旅先から帰ったばかりなのか、寅さんが横になっていますね。ただ、この部屋は寅さんが留守の間にくるまやの親戚やマドンナとなる女性に貸し出されることがあります。そんな時は、くるまやの番台の脇から上がる、もう一つの階段の先にある物置部屋が、寅さんの仮の部屋となります。
さくらが洗濯物を干している庭の先には朝日印刷所があり、そこの2階から工員の博さんがさくらさんを見つめていますね。
「ロビーカード」
模型そばの壁には「ロビーカード」が一面に飾られています。ロビーカードとは、かつて映画館向けに制作された宣伝素材の一つであり、映画館のロビーに貼りだされることが多かったため、この名で呼ばれています。インターネットもなかった時代には、観客にとってポスターと並ぶ貴重な情報源でした。『男はつらいよ』シリーズの場合は、B4サイズの厚紙に印刷されたロビーカードを8枚1組にして封筒に入れ、全国の映画館に配られていました。この壁の前で、それぞれの思い入れがある作品やマドンナについて熱く語り合うファンの姿がよく目にされます。